天理の4強を引き寄せる「お守り」の御利益だ。3回1死二、三塁。伝令の岩月克介外野手(3年)は1枚のカードを取り出して、マウンドへ。「越」と書かれた験担ぎだった。

昨年8月、新チーム結成後、達が「越」を提案し、大西卓也副部長(57)に頼み、揮毫(きごう)してもらったもの。同副部長は「去年の先輩の無念があった。先輩たちを越えたい思いがあります」と説明した。

天理市内の本拠地球場にもこの1文字が一塁側ベンチに掲げられる。17年に夏の甲子園で4強入りした時から始めた。今回もカードにしてベンチ入りメンバー18人と記録員が大切に持つ。17年は「底力」のカードで今年は「越」だ。「今回は初めて言葉を選手たちが決めました」と大西副部長。奮い立つ言葉を胸に秘め、ハードルを越えていく。【酒井俊作】

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