室蘭地区で、室蘭栄が鵡川を3-1で下し初戦を突破した。最速146キロの2年生エース住吉壮野が4安打1失点完投、11三振を奪う好投で逆転勝利を呼び込んだ。昨秋は地区予選で0-2の敗戦。難敵にリベンジし「自分だけじゃない。全員の力で勝てたのが良かった」と喜んだ。

配球のシフトチェンジが生きた。初回、先頭打者への初球、この日最速142キロの直球をとらえられ、いきなり右越え三塁打を浴びた。直後の内野ゴロの間に1失点。「直球があまり良くないと感じたので捕手と話し合い配球を変えた」。失点後、武器の直球をほとんど投げず、縦横2種類のスライダー主体の投球に変え、2回以降わずか2安打に抑え込んだ。

昨秋は3回戦で同じ相手に完投も、7安打2失点で敗戦。「秋は直球で押し切ろうとしてやられた。今日は変化球をうまく生かせた。状況に応じた投球ができるようになった」。失敗を、しっかり肥やしにした。

中学卒業時、札幌などの強豪私立5校から誘いを受けるも「実績のない高校で力をつけ強いチームを倒したい」と、公立の進学校に進んだ。練習は平日約2時間、7時間授業の水曜は正味1時間程度と限られるが「短時間で集中できるのがいい」と言う。

全道切符へあと2勝。道大会進出なら65年夏以来で、春は初進出を目指す。スタンド観戦したOBの父慎一さん(43)も地区代表決定戦が最高で「壁を打ち破ってほしい」。父の思いも背負い戦い続ける。【永野高輔】

◆住吉壮野(すみよし・まさや)2005年(平17)2月6日、登別市生まれ。伊達有珠小2年時に長和ジュニアスワローズで野球を始める。伊達光陵中3年時に西胆振BBCの投手としてKボールの全国都道府県対抗に出場。室蘭栄では1年夏から背番号7で公式戦に出場し、昨秋から背番号1。好きな選手はダルビッシュ有、大谷翔平。家族は両親と弟。177センチ、88キロ。右投げ右打ち。