春9度の優勝を誇る東海大札幌が、2年生バッテリーの躍動で強豪対決を制した。昨秋全道8強の駒大苫小牧を2-1で下し、13年ぶりの優勝に向け初戦を突破。左腕エース門別啓人が6安打1失点完投で、唐川侑大捕手の中越え本塁打で挙げた2点を守り切った。開幕戦では札幌静修が、公式戦初先発の常谷拓輝投手(3年)が3失点完投で7年ぶりの全道1勝。北照は士別翔雲を破った。

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背番号4の右横手投げ、常谷が公式戦初先発で9回7安打3失点、12三振を奪い初完投した。8回までは2安打無失点。9回に3点を失ったが投げきった。「9回は少しバタバタしたが、まずは初戦突破できて良かった」と振り返った。

地区予選は4試合すべて背番号1の佐藤良(3年)が先発し、常谷はすべて救援で11イニング無失点と好投を続けていた。シフトチェンジに木無真人監督(41)は「夏に向け選択肢を持っておきたかった。常谷は今1番信頼している投手なので託した」と説明。1番打者を務める常谷は「先発は前日に言われた。気持ちの整理が難しかったが、できることだけをやろうと切り替えて臨めた。初回と2回をうまく乗り切れたのが大きかった」と手応えを口にした。

昨秋までの変化球は2種類のスライダーのみ。「投球の幅を増やしたい」と冬場にチェンジアップ、ツーシームなど5つの新球を覚え春先の実戦でテスト。この日は地区予選で使わなかったシンカーも用い「コーナーに投げ分け要所を締めることができた」。七色の変化球を操り、準々決勝は春夏計11回甲子園出場の難敵、東海大札幌に挑む。【永野高輔】

▽札幌静修・木内陽斗二塁手(1-0の8回無死三塁、大会1号となるランニング弾)「ここで1本打てば流れを呼び込めると思った。しっかりランナーを返せて良かった」

○…釧路北陽は20年ぶりの出場で、春全道初勝利はならなかった。先発した富樫亮太投手(3年)は、8回に与死球をきっかけにランニング本塁打を献上するなど一挙5失点。それでも、7回まで3安打無失点の力投を披露し「全道レベルで通じることがわかった。夏に生かしていきたい」と前を向いた。

▽釧路北陽・伊藤翔流主将(3年)「地区でも全員野球を掲げていて、それを全道でもできた。集中力を徹底して練習していきたい」

▽釧路北陽・南部篤也監督(53)「大きな経験をさせて頂きました。夏に向けて課題を見つけてやっていきたい」