20歳の先輩監督が率いる秋田高専が激闘を制した。延長13回タイブレークの末に雄物川を10-9で破り、2回戦進出。菊池玲央捕手(3年)が同回の勝ち越し打を含む5安打1打点と大暴れ。守っては2年生4投手をリードし、1点差勝利の原動力になった。

打撃絶好調の菊池が値千金の一打を決めた。7-7の13回からタイブレークに突入。無死一、二塁、先頭で打席に入り、ベンチからは犠打のサインが出たが、決められず。それでもカウント0-2から高めの直球をはじき返し、左中間を真っ二つに破る適時二塁打とした。「バントのミスがあったので、とにかく後ろにつなぐ意識だった」。さらに後続が2点を追加。同回裏に1点差に迫られたが逃げ切った。

5年制の秋田高専では、生徒が監督を務める年もある。今春就任した三浦翔(かける)監督(20)は同校5年生。「自分が3年の時に1回戦で勝ち、その喜びを後輩に味わってほしい」との思いで指揮官に立候補した。大当たりの菊池は5番で起用予定だったが、本人から「3番でお願いします」と打順変更を提案され快諾。結果で3番起用に応えた菊池は「監督は5年生で自分たちのことを1番知っているし、意見も言いやすいです」。目標の2回戦突破へ向けて“ハタチ”の指揮官の下で好スタートを切った。【山田愛斗】