今春東海王者の掛川西が、自慢の2枚看板リレーで島田樟誠に7回コールド勝ちし、23年ぶりの夏の甲子園出場へ好スタートを切った。先発の榊原遼太郎投手(3年)が、5回2安打無失点の好投。後を受けた沢山優介投手(3年)は、2回を無安打無失点。打者6人に対し、1人の出塁も許さなかった。

 

掛川西の最速144キロコンビが、地元の掛川市営球場へ詰めかけた多くのファンをわかせた。榊原は「チームに勢いをつける投球を」と意識し、テンポ良く右腕を振り続けた。応援団の前で力み、球が高めに浮いたというが無四球。相手打線を打たせて取り、62球で5回を投げきった。

先月末にチーム内で今大会の背番号が発表され、安定性を買われてエースナンバーを与えられた。重圧も感じたが「大会が終わったときに、『榊原に1番を与えて良かった』と思われるような投球をしようと感じた」と振り返った。周囲の期待に応えた投球に、大石卓哉監督(41)は「初戦としては、良い内容だった」とうなずいた。

沢山も負けじと快投。登板した6回には、先頭から3者連続奪三振。背番号は春の「1」から「11」へと変わったが、意欲は変わらず「自分ができることをするだけ。役割をまっとうしたい」。前日17日のミーティングでは「春に勝ったが、夏に勝てる保証はない。覚悟を持ってやろう」と発言。中心選手の自覚を持ち、夏の1歩目を刻んだ。

榊原は「勝ったからといって一喜一憂するのではなく、勝ってかぶとの緒を締めたい」と強調。目標の「甲子園2勝」に向けた道へ、まずはエンジンをかけ始めた。【河合萌彦】