<高校野球神奈川大会:日大藤沢5-4立花学園>◇22日◇5回戦◇サーティーフォー相模原球場

日大藤沢(神奈川)の柳沢大空(おおぞら)外野手(3年)は2-4の8回、立花学園の150キロ右腕永島田輝斗投手(3年)の直球を左肘に受けると「よっしゃー!」と派手なガッツポーズを作った。「後ろにいい選手がいるので」。4番の闘志にナインが発奮。8回に同点に追いつくと、延長12回にサヨナラ勝ちを決め、準々決勝へ駒を進めた。

今春の県大会準決勝、5-14と屈した東海大相模に「絶対に勝ちたい」と、雪辱を期す思いは誰よりも強い。19年夏の県大会決勝。兄大地さんが3番手投手として登板したが、王者・東海大相模の勢いを止められず1-24の大敗を喫した。「兄の分もやり返す」。当時1年生の柳沢は応援スタンドで誓った。

あれから2年、柳沢は強力日大藤沢打線に欠かせない長距離砲へと成長した。今春の県大会では準決勝で2打席連続本塁打を放つなど3本塁打を記録。プロのスカウトも高い身体能力を評価。

リベンジは今夏がラストチャンス。立花学園を下し、共に勝ち上がれば再戦する決勝まであと2つとした。「チームが大変な時にカバーできる活躍をしたい。絶対に勝ちたいです」。頼れる大砲が、甲子園の大空へ向けて、白球を打ち抜く。【勝部晃多】