愛工大名電先発、寺嶋大希投手(3年)が東邦打線を9回3安打1失点に抑え、ベスト4進出を決めた。

「球速を出すより低めに丁寧に投げ込めました。スライダーで取りたいときに三振を取れたし、打ち取りたい時は真っすぐで押し込めました」。8球団13人のスカウトらが見守る中、9回102球、3安打1失点で完投。自己最速タイの147キロもマークした寺嶋は、疲れを見せず爽やかな表情で、ライバル東邦との一戦を振り返った。

打線も同点で迎えた5回無死満塁から宮崎海外野手(3年)の中犠飛で勝ち越し。初回先制打を放った主将・田村俊介投手(3年)の右犠飛などで4点を勝ち越した。宮崎は6回にも左中間への2点本塁打でダメ押し。エースナンバーも背負う田村主将は「チームのために投げている寺嶋を攻撃で楽にさせてあげたかった。投げろと言われた時はしっかり抑えたい」と話した。

倉野光生監督(62)は「コントロール、バランス良く寺嶋らしく投げた」と、評価。「連投できるスタミナをつけさせないと」と、次戦以降の登板も示唆した。29日の愛知大会準決勝は、私学4強の中京大中京と対戦。18年以来、3年ぶり13度目の夏の甲子園へスパートをかける。