浦和学院・森士監督(57)が、今夏限りでの退任を電撃報告した。優勝インタビューの最後に「この夏をもって監督を退任しようと思っています。埼玉の高校野球ファンの皆さんに、お礼を申し上げたい」と話した。本来は学校に戻ってからのミーティングで発表する予定だったが、自ら公表した。

監督生活30年目。2年前から、区切りを決めていた。19年秋季県大会の準決勝で花咲徳栄に敗れ、学校側と話し合った。「(チームを)私物化するのは良くないと思っていた。これで終わりではなく、浦和学院は永久に不滅です」。86年に64歳で亡くなった恩師である野本喜一郎前監督からの魂を引き継ぐのが役目。「(ここから)1日でも長く、監督生活をエンジョイしたいです」と笑顔だった。今後はNPO法人「ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ」の理事長として、地域の子どもたちの学習や運動のサポート活動にも注力する予定。後任には、長男で同部の部長を務める大氏(30)が候補として挙がっている。

◆森士(もり・おさむ)1964年(昭39)6月23日、さいたま市生まれ。上尾、東洋大では投手。87年に浦和学院に赴任。投手コーチを経て、91年8月に27歳で監督に就任。13年にはセンバツ初優勝。16年から早大大学院に入学し、修士を取得。今夏で、春夏通算22度の甲子園出場となる。今年4月から副校長に就任。家族は夫人と2男。