広島新庄が祇園北を下し、5年ぶり3度目の甲子園出場を決めた。先発の西井拓大(たくと)投手(3年)が7回を2安打無失点と好投。許した走者は3人だけで2回から毎回の10三振を奪い、秋山恭平投手(3年)と左腕完封リレーを決めた。西井は「初回に2安打されたが立て直せた。やっと甲子園のマウンドに上がれると思うとうれしい」と勝利をかみしめた。

2季連続の出場ながら、センバツで西井は左肩痛の影響でベンチ外。ボールボーイとして聖地の土を踏んだ。背番号1の花田侑樹投手(3年)と秋山がマウンドに立つ姿を見て率直に「うらやましかった」。けがから復活した今夏は背番号18でメンバー入り。磨いてきた変化球と制球を武器に準決勝まで全5試合に登板。迎えた決勝。宇多村聡監督(34)は「甲子園への思いがヒシヒシと伝わってきた。しっかりやってくれるだろう」と先発に指名した。西井は思いのこもった投球で起用に応え、打線も初回に5得点など14安打12得点で後押ししてくれた。春のボールボーイはこの夏、“優勝投手”になった。

チームは昨秋から県大会16連勝の無敗で甲子園に向かう。西井の甲子園での背番号はまだ分からない。しかし春には真っ白だったユニホームの背中には確かに番号が刻まれる。【清水駿斗】