今秋ドラフト上位候補で最速154キロ右腕の高知・森木大智投手(3年)が14日、高知市内の同校で阪神の面談を受けた。10日に日本高野連ホームページでプロ志望届受理を公示後、真っ先に実施。山本スカウトと15分、言葉を交わした。

10月11日のドラフト会議まで1カ月を切り、胸は高鳴る一方だ。「自分が目標にしていた世界に近づいている」。この日は直接、阪神の評価も聞いた。「球団として高い評価をいただいたという話です。すごく伝統のあるチームだと感じた。そういうところでやらせていただけたら」と感謝した。12球団からの指名を待つ姿勢だが、上位候補でリストアップしている阪神は森木にとって「原点」だろう。

小学2年の時、知人と甲子園で阪神対巨人戦を観戦した。「結構、人も多くて歓声もすごかった。ああいう球場で野球をやりたい」と初めてプロ野球をナマで見た記憶を思い起こす。甲子園は森木の憧れの舞台であり続けた。7月28日の高知大会決勝で明徳義塾に敗れた。センバツも夏の甲子園も出場できず、未踏のマウンドに武者震いする。

「甲子園を目指して高校野球をずっとやってきた。その舞台で、いつか投げられる機会があることを考えると、とても光栄です」

阪神で印象に残る選手として「自分が野球を始めたキッカケが藤川球児さん。一番、頭に浮かびます。火の玉ストレートに一番魅力を感じます」と明かした。同郷高知出身で、高知商から虎で大活躍した剛腕だ。「トップレベルでやっている方でも、必死に野球をやっている」と話し、プロとしての姿勢に感化される。

甲子園は声援もヤジも飛び交う場だ。「プロ野球選手の宿命です。耐えられるか分からない」と笑わせながらも、眼光は鋭い。「自分のプレーをしっかり貫き通せばいい」。土佐の快腕にとって、背筋が伸びる1日になった。【酒井俊作】

◆森木大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日生まれ、高知県出身。蓮池小3年時に高岡第二イーグルスで軟式野球を始め、内野手や捕手、投手を経験。高知中で1年時から投手。3年時に春夏の全国大会を制覇。高知では1年春からベンチ入りし、同年夏からエース番号1。184センチ、87キロ。右投げ右打ち。

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◆阪神今秋ドラフト戦略 高知・森木の他に市和歌山・小園健太投手(3年)、夏の甲子園では最速157キロ右腕のノースアジア大明桜・風間球打投手(3年)らを視察。最速150キロを超す超高校級右腕たちに熱い視線を送っている。また、年間を通して先発ローテーションを守る左腕は伊藤将だけで、先発左腕も今オフの重要な補強ポイント。西日本工大の150キロ左腕、隅田知一郎投手(ちひろ、4年=波佐見)、最速152キロ左腕の筑波大・佐藤隼輔投手(4年=仙台)、地元関学大の151キロ左腕黒原拓未投手(4年=智弁和歌山)ら、即戦力左腕にも注目している。