秋田が専大北上(岩手)の連覇を阻み、18年ぶり3度目の優勝を果たした。1-2の5回、佐藤遥大内野手(2年)の2点適時打で逆転。1回戦、準決勝を連続完封したエース和田琢暉投手(2年)が、専大北上打線を4安打2失点に抑え、優勝投手に輝いた。

守り抜く野球から打ち勝つ野球へ。秋田は1回戦、準決勝をあわせてわずか6安打。精彩を欠く打線を和田の好投と堅守で勝ち上がってきた。しかし、決勝は打撃陣が奮闘し6安打4得点。そのうち4本が2死からと粘り強さも見せ、専大北上に打ち勝った。

中心メンバーの2年は1年から試合に出場しており経験が豊富だ。今夏の県大会では全国で2度の優勝を誇る能代と延長13回、3-4の接戦を繰り広げた。そして、今秋は能代に4-1で勝利。強豪との戦いで得た経験を東北大会優勝に結びつけた。

「やったぞという安心感とうれしさで思わずガッツポーズしました」。初球の直球を中堅にはじき返す2点適時打を放った佐藤は一塁上でガッツポーズ。ここまで調子が悪く、自信が持てなかったが「ベンチから『お前なら打てる』と声が聞こえて、自分が打って逆転しようと強い思いを持てました」。仲間に後押しされた一打でチームは活気づき、最後までその勢いは衰えなかった。

佐藤は「秋を優勝したからといって冬の練習をおろそかにせず、これまで以上に基礎を徹底して夏を戦い抜く体力と身体を作っていきたいです」と語り、児玉拓海監督(20)は、「現状、夏の全国ではまだまだだと思うのでこの冬、全体的に強化して試合をもっと楽にできるようにしたいです」と来夏の全国大会を見据えている。90年から遠ざかる全国の舞台へ、冬を越えさらなる進化を遂げる。【濱本神威】