第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に、日大三島が38年ぶりに出場します。報徳学園(兵庫)時代に春夏通算18度甲子園出場の名将・永田裕治監督(58)は、就任2年目で聖地に導きました。大舞台に挑むナインを紹介する連載「日大三島38年ぶりセンバツ 名将と歩む」。第7回は、杉山憲一朗内野手(1年)です。

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杉山憲一朗内野手(1年)は、小学校時代の恩師に活躍を届ける。リトルジャイアンツ(三島市)で6年間指導を受けた長谷川記一監督(55)は、日大三島OBで38年前のセンバツで創部初の甲子園出場を果たした先輩でもある。杉山は「当時の経験を聞かせてもらい、『頑張れ』と声もかけてもらった。活躍して恩返しをしたい」と誓う。

昨秋は二塁手として公式戦10試合で無失策。持ち味の守備で県、東海制覇に貢献したが、忘れられない1プレーがある。県大会準々決勝・掛川西戦、同点とされた9回表2死一、三塁。内野ゴロを捕球しきれず(記録は内野安打)、勝ち越しを許した。チームは同裏に逆転サヨナラ勝ちも、「1球の大切さを改めて痛感した」。冬は、ノックを中心に再び泥にまみれた。

168センチと小柄ながら、年明けの紅白戦では左越え本塁打を放つなど打撃でも力が備わってきた。センバツ1次登録メンバーでは定位置を争う相原礼音(れおん)内野手(1年)に背番号「4」を譲ったが、「レギュラー争いに勝って、100%の実力を出せるように準備していきたい」。聖地で活躍する姿をイメージし、アピールを続けていく。【前田和哉】