高校通算50本塁打を誇る1年生スラッガーが、復帰に向けて状態を上げている。

第94回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)に出場する花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手が2月28日、オンラインで取材に応じた。両肩の胸郭出口症候群(肩のしびれや腕が上がらないなどの症状)のため、昨年12月に手術。リハビリを経て「ここ最近、バットを振り始められるようになってきた。何とかセンバツまでに状態を戻したい。必ず日本一になりたい」。完全復活への意欲を示した。

術後はノースイング、ノースローだったが、2月下旬頃からバットを振り、キャッチボールができるまでに回復した。フルスイングと比較すると「自分の感覚では半分にも満たないぐらい」と言うが、「打つことも投げることもセンバツまでにフルに持っていきたい」と話す。近日中には関西遠征がスタート。同期間中には本格的な打撃練習を再開させ、練習試合出場と本番に向けて徐々に強度を上げていく。

父洋監督(46)は「本来なら、けがをしなければ、一冬でピッチャーをさせたいと思っていた」と温めていた構想を明かした。「長期的に見て、このオフの期間に手術をした。『どうしてもセンバツに』と焦る気持ちが本人にもすごくあるので、ブレーキをかけながらですね」と慎重にコンディションを見極めていく。

昨秋の公式戦で14試合に出場し、打率4割3分5厘、6本塁打、23打点、四死球17と、いずれもチームトップの成績を残し、東北大会優勝、明治神宮大会4強に貢献した佐々木麟。憧れの甲子園へ向け、困難な道も乗り越える。【山田愛斗】