第69回春季東海地区高校野球静岡県大会(23日開幕)の組み合わせ抽選会が19日、静岡市内で行われた。初出場の誠恵は、23日の1回戦で掛川東と対戦。今大会から背番号「1」を背負う須田楓投手(2年)を軸に、秋春通じて初の県大会勝利を狙う。

誠恵ナインが新たな歴史を刻む。同校は、秋季大会で過去3度県大会出場も、いずれも初戦で敗れている。鈴木宏和監督(51)は「まず1つ勝って歴史をつくりたい」。初出場の春に、悲願の県1勝を目指す。

キーマンは、2年生右腕の須田だ。昨秋の県進出に貢献したエース池田幌汰(こうた、2年)が故障離脱中。須田は本来、「5番三塁」が定位置だが、背番号「1」を託された。「重みを感じる。打たせて取る自分の投球をしたい」。持ち味の制球力で5種類の球種を操り、打者を打ち取る。

伊丹シニア(兵庫)に所属した中学時代にも投手経験はあったが、当時もチームメートだった池田に次ぐ2番手。登板機会も「指で数えられる」程度だった。さらに、高1の夏前からは野手に専念。本格的な投手挑戦は、約1年ぶりだ。

東部地区予選では、3試合に登板。公式戦初先発となった先月28日の2回戦・富士宮西戦で3失点完投するなど、経験の浅さを感じさせない投球で県進出に貢献した。「自信になった」と手応えも得た。

県大会初戦の掛川東戦に向けて、「できることは限られている。相手は関係なく、自分の投球をすること。1勝して、1つでも上に行きたい」と望んだ。目標達成に向け、全力で腕を振る。【前田和哉】