桐蔭学園が藤沢清流に8回コールドで勝利し、決勝に進んだ。この日の勝利で13年以来、14回目の春季関東大会(5月21~29日、栃木県)出場も決めた。

5番・牧野竜也外野手(3年)はわくわくしていた。5回まで3回の全打席でヒットを打ち、6回には遊ゴロで凡退。「次の打席は『早く打ちたい』とわくわくしていました」。迎えた8回2死一、三塁、初球から積極的に真っすぐをたたき、適時中前打。5打数4安打4打点とチームをけん引。「秋は1番で打率を意識していた。今年は(5番で)打点を挙げるのが役割。それを発揮できたのはうれしいです」と目を輝かせた。

大舞台での経験は豊富だ。中学時代は、世田谷西リトルシニアでジャイアンツカップに出場した。東練馬リトルシニアと対戦した決勝は1番スタメン。初回に先制につなげる三塁打、2回には好機に適時打を放ち、4-0での勝利に貢献し、優勝を果たした。それ以来、大舞台やチャンスにめっぽう強い。「僕は打席を楽しんでいるので。試合が楽しいんです」。牧野の強心臓が、チームを勝利へと導いている。片桐健一監督(48)も「牧野は早いカウントから一発で仕留め、打ち損じない。プレッシャーに強いので、どんな場面でもヒットを打ってくれる。非常に頼りになります」と、厚い信頼を口にする。

今年、チームは「全国制覇」を目標に掲げる。選手たちも毎日、その目標を口にしてきた。牧野は「関東大会に行くのもそうですが、夏の甲子園も目標のうち。今年は優勝します」と力強く宣言。そして「明日の決勝戦もわくわくします」と笑った。【保坂淑子】