勝者7チームが、夏の県大会シード権を獲得した。静清の伊東洸佑(こうすけ)内野手(3年)は、磐田東戦でサイクル安打を達成。6-0の快勝に貢献した。県大会では、昨夏3回戦の藤枝明誠・宮城佑弥(当時3年)以来の快挙。今後の日程は、5日に準々決勝、7日に準決勝、8日に3位決定戦と決勝。

3番打者は、偉業達成を一振りで決めた。静清の伊東は初回の第1打席で先制適時二塁打。三塁打と単打を放って迎えた7回だった。先頭打者で初球を強振。内角低めの直球を左翼席に運んだ。仲間がベンチで総立ちの中、ダイヤモンドを1周。「(サイクル安打は)あるかも、と思っていた程度。夢かと思った」。高校通算4本目、公式戦初アーチで達成。第5打席は死球で出塁と、文字通り「大当たり」の1日だった。

4打数4安打2打点の活躍で6年ぶりのシード獲得に貢献。ただ、試合後は「迷惑をかけていたので申し訳なかった」と謙虚だった。今春の中部地区予選と県大会2回戦(対吉原)の計3試合で、わずか2安打。1本はバントヒットで「何もかもがダメだった」。吉原戦後に意識して取り組んだのは、得意な球に絞ってバットを出すこと。この日の第2打席は外角低めの直球を逆方向へ三塁打。「僕は低めが好き。いい時は右方向に飛ぶ」。会心の一打で感触を取り戻した。

同校OBでもある兄・大佑さん(日体大3年)の影響で静清に入学。目標は、兄が果たせなかった甲子園出場だ。「シードは通過点。1試合でも多く勝って夏につなげたい」。本調子に戻った伊東が、まずは県制覇を目標にチームを引っ張る。【神谷亮磨】

◆伊東洸佑(いとう・こうすけ)2004年(平16)10月8日、神奈川県葉山町生まれ。小1からソフトボールを始め、中学時代は横浜港ボーイズでプレー。家族は両親と兄。173センチ、68キロ。右投げ右打ち。