報徳学園(兵庫)がセンバツ出場の市和歌山を圧倒した。ドラフト候補の米田天翼(つばさ)投手(3年)から11安打で8点を奪った。

打線を引っ張ったのは榊原七斗投手(3年)だった。エース左腕は「5番中堅」で出場。2-0の3回1死一、二塁から内角球をジャストミートした。右翼フェンスを楽々と越えていく3ランで、米田に強烈なダメージを与えた。

実は「打撃の方が好き」という背番号1は高校通算14号。「ヒットを狙いにいった中で入りました。過去一番の当たりだったと思います」と満面の笑み。大角健二監督(41)も「大きな1発でした」と称賛した。

前チームから中堅のレギュラーで、今チームもクリーンアップを務める。兵庫県大会後に打撃の調子を崩した。元阪神の葛城育郎コーチ(45)から、あごが上がるクセを指摘され、修正に努めた。9回にもおっつけて左前にライナーで運んだ。バットで大勝に導き「葛城コーチのおかげです」と頭を下げた。

榊原の代わりに先発したのは4番に座る主砲の正重恒太内野手(3年)。丁寧な投球で6回途中まで2失点と試合を作り、2番手の盛田智矢投手(2年)も残りを無失点。今春センバツ8強の市和歌山に投打で上回る完勝だった。

次は28日の準決勝、智弁和歌山戦。昨夏の甲子園優勝チームだ。主将の丸岡優太内野手(3年)は「去年の夏の覇者とやれるのは光栄です。挑戦者らしくガツガツやれれば、自分たちらしい野球になると思う」とビッグマッチを心待ちにした。【柏原誠】