今春センバツ出場の山梨学院(山梨1位)が、前橋育英(群馬1位)を7回コールドで下し、8年ぶりに春季関東大会4強入りを決めた。

2試合連続2桁安打となる12安打8得点。どの打者からでも点が取れる打線が魅力だ。

この日のキーマンは8番の渋谷剛生(ごうき)外野手(3年)。2打席連続適時打を含む2安打4打点でけん引した。渋谷は「春の大会で調子を落として、部長さんにスイングを修正してもらいました。それが要因かなと思います」と、冷静に振り返った。

昨秋はチームの打点王。センバツでは1番打者を任されたが、5打数無安打。本来の力が出せない理由は打撃フォームにあると、吉田健人部長(25)は見抜いた。「肩が開いて、後ろ肩が少し出ていくスイングになっていました」。その影響で、ボールをひっかけるクセが付いてしまった。

改善のため、吉田部長は椅子に座るティー打撃を提案。そこに2つの理由を込めた。「体の回転を意図的に止める形で、ヘッドを走るようにすること。後ろが大きく、ヘッドが下がるバットの軌道になっていたので、修正のためにティーをやりました」。そして見事、復活を遂げた。

吉田洸二監督(52)は「秋は調子が良かったんですけど、センバツで活躍出来なくて打順を下げる形になりました。きつい思いをして上がってきたところは本物になると思います。成長がうれしいです」と、笑顔で話した。