センバツ8強の市和歌山が初芝橋本を8回コールドで破り、初戦突破した。

最速149キロ右腕の米田天翼(つばさ、3年)は先発で7回5失点。球速は148キロをマークしながら球数122球を要するなど、いまひとつの内容だった。

米田は「チームが勝ったのが一番ですが、自分は40点」。中日など4球団のスカウトが見守る中、スコアボードのスピードガンは直球が常時140キロ台を記録した。数字は力強い。しかし、7回で8安打を浴び、特に3回までに5失点。自ら2安打を放つなど打線の援護もあって乱戦をものにしたが、納得いく投球ではなかった。

センバツ後、スケールアップを狙い、がんがん食べたことが裏目に出た。体重は77キロから最高82キロに増えたが、キレを失った。「もっと体を強くしたいと思ったんですが、体脂肪が落ちにくい体質だったので」。今度はダイエット。夕食に米を抜くなど炭水化物の摂取を控え、タンパク質中心の食事に切り替え、76キロに絞って夏を迎えた。

半田真一監督は乱戦を「お互い地に足が着いていないというか」と振り返りつつ、米田について「良かったですよ。ただ、いらんことをせんともっとシンプルに行ってほしい。ストライク先行で。夏は体力勝負ですからね」と語った。

米田自身も反省点はわかっている。「コントロールです。浮いた球は打たれます。140キロ台中盤を外角低めにしっかり集めていければ」。昨秋ドラフトで2球団が競合、DeNAに1位指名された先輩右腕、小園健太から2週間前に電話で激励を受けた。

「小園さんも大切にしていた言葉ですが“エースたる者”という言葉が好きです」。どんな時でもチームを勝たせる、引っ張る-。この日、2番手で登場した右腕淵本彬仁(3年)も147キロを記録するなど、分厚い投手陣の先頭に立ち、春夏連続の甲子園をつかみに行く。【加藤裕一】

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