イチロー先生が、文武両道の進学校を熱血指導した。日米通算4367安打のイチロー氏(マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクター)が4日、今年2校目となる富士(静岡)のグラウンドで2日続けて同校の野球部員を指導した。

野球を広めたい。その熱い思いは、イチロー氏と富士の選手たちは一緒だ。富士は県内屈指の進学校で、2年生部員が9人、1年生が10人の計19人。平日は午後4時まで授業があり、下校は午後8時と決まっているため、練習時間は毎日約2時間半。学業と両立させながら、日々鍛錬を積んでいる。

加えて、地域への野球普及活動にも熱心に取り組んでいる。地元の保育園児、小学1年~4年生の子ども約20名に指導を行うなど、野球を愛する思いは深い。

イチロー氏は20年2月に学生野球資格を回復。高校野球指導は3年目で6校目。これまでは20年12月に智弁和歌山、21年に国学院久我山(東京)、千葉明徳、高松商(香川)と熱血指導を続けている。

富士は今年で創立100周年を迎える県立高で、毎年、約200名が国公立大に合格する進学校。文武両道を目指し、運動部・文化部などの活動が盛ん。野球部は79年夏の甲子園、87年のセンバツ大会に出場。14年のセンバツでは21世紀枠の静岡県推薦校に選ばれた。今夏の県大会では3回戦敗退していた。

◆富士 1923年(大正12)に富士中として創立した県立校で、今年創立100周年。野球部創部は1933年(昭8)。部員数は19人。79年夏の甲子園、87年のセンバツに出場。14年のセンバツでは21世紀枠の静岡県推薦校に選ばれたが出場はならなかった。今夏の県大会は3回戦敗退。主なOBは巨人、広島などで通算118勝を挙げた渡辺秀武、戦場カメラマンの渡部陽一ら。所在地は静岡県富士市松本17。杉山禎校長。