海星(長崎)は2-3で昨秋明治神宮大会準Vの広陵(広島)に惜敗し、16年以来7年ぶりの8強を逃した。

エース左腕・吉田翔投手(3年)が、新球チェンジアップを多投する内角攻めや緩急で奮投。だが、球速が落ちた7回につかまり、6回2/3で3失点を喫した。プロ注目スラッガーの真鍋を封じた一方で、上位から下位まで切れ目のない打線対策に課題を残した。

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海星のエース左腕吉田は球威が落ちた7回、力尽きた。

同点で迎えた1死一、二塁。併殺狙いで投げた直球が甘く入り、二塁適時失策を誘う一打で勝ち越された。その後も2死二、三塁とピンチを広げ、7回途中3失点で降板。「(2回に先制して)2点差あったが、毎イニング緊張して投げていた」。痛恨の7回に「どう抑えていいか、途中から分からなくなった。自分のせいで負けて悔しい」と肩を落とした。

一方で強打封じの内角攻めと緩急で健闘した。「打たれる覚悟で緩急をつけた」。101球のうち半分に新球チェンジアップとカーブを選択し、優勝候補の打線を翻弄(ほんろう)した。

特に3番真鍋に対しては、作戦通りに徹底した内角攻め。最後はチェンジアップを使い、1回は投ゴロ、4回は一ゴロに仕留めた。6回は四球を与えたが「自分の投球スタイルが通用する部分があった。自信になりました」と手応え。加藤慶二監督(48)も「手の伸びるところには投げないということでした」と真鍋対策に納得した。

ただ、バッテリーを組んだ田川主将は「吉田は緩急と内をうまく使うタイプ。クリーンアップはうまくハマってくれたけど、下位打線にはうまく打たれた。そこはバッテリーの反省」と夏への課題も口にした。「通用する体力をつけ、球速を上げたい」と吉田。教訓をバネに、さらなる高みを目指す。【菊川光一】

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