山梨学院・林謙吾がセンバツ史上初の6勝をマークして優勝した。6勝は記念大会の1回戦から出て優勝しないと記録できない。6試合戦ってのVは91年広陵以来2チーム目だが、広陵は5勝1分け。6試合に登板した投手は38年準優勝の久野欽平(東邦商=4勝1敗)以来、大会2人目だった。

大会通算51回2/3も投げたのは、80年伊東昭光(帝京=51回2/3)以来43年ぶり。通算696球は、13年春に安楽智大(済美)が772球を投げ物議を醸して以降、春の最多になる。安楽のケースは米メディアが「メジャーなら5、6週間分に相当する球数。正気の沙汰ではない」と将来的な影響を危惧する騒動になった。幸い安楽は楽天で現役を続けているが、甲子園では今夏からベンチ入りが20人に増えるなど球児の負担軽減策が進む。今後は継投の人海戦術も予想され、林のように700球近く投げる投手はこれが最後かもしれない。【織田健途】

◆都道府県別35番目の初V 山梨県勢は春夏を通じ初V。全国47都道府県のうち、春夏いずれかで初Vを記録したのは昨夏の宮城県(仙台育英)に次ぎ35番目。残るV未経験は青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、富山、石川、滋賀、鳥取、島根、宮崎の12県。

◆開幕戦登場校の優勝 16年智弁学園以来、7年ぶり8校目。智弁学園は高松商戦で村上頌樹投手(現阪神)が自らサヨナラ二塁打を放って優勝しており、山梨学院・林のように大会第1球と最後の球を投げたのは69年上西博昭(三重)以来54年ぶり6人目。