センバツに出場した智弁和歌山が快勝発進した。2回に打者16人を送る12得点の猛攻。そつなく19本の長短打を連ねて5回コールドで終わらせた。

U18日本代表候補強化合宿にも参加していた多田羅浩大外野手(3年)は三塁打2本を含む4安打で打線をけん引した。

優勝を狙ったセンバツでは英明(香川)に敗れて初戦敗退。3週間がたち、出直しの一戦だった。

ただ甲子園のあと、主力野手の複数人にコンディション不良が出たため、この日は1年生も2人出場。そのうち奥雄大を「3番右翼」で起用した。二塁にコンバートしていた青山達史主将(3年)が中堅で出場するなど、本来の形では春季大会に臨めていない。

ただ、中谷仁監督(43)は「これがきっかけというか、一からやり直すために思い切った起用も必要なのかな」と、チームを前に進めるために、逆境も前向きにとらえようとしている。

甲子園では登板機会がなかった石原大聖投手(3年)は背番号1をつけて先発。2回をぴしゃりと抑えて、高い期待に応えた。

ショッキングなセンバツ後、同監督は選手たちに、自戒も込めて問うた。「本当の意味で、一から出直そうと。今の自分たちのレベルが日本一を目指せるところにあるのか。もう1度、本当の現在地をちゃんと見つめ直そうということです」。

3カ月後に迫る地方大会まで課題と向き合っていく。【柏原誠】