立命館慶祥が11-10で駒大苫小牧を下し、14年ぶりの春全道白星を挙げた。

試合を決めたのは代打の1年生横谷だった。1点差に迫りなお8回1死二、三塁で打席に立った。「ストライクが来たらフルスイングで打っていこうと思っていた。自分が決めてやろうと思った」。外角低めのカーブを捉えた打球は、左翼手の頭を超える逆転の2点適時二塁打。札幌地区予選ではベンチ外でスタンド応援。今大会背番号16を託され、公式戦初打席でしっかりと起用に応えた。

チームとしても打撃の強さを見せつけた。1回先頭から3連打で1死満塁と好機をつくり、5番勝見将主将(3年)が先制の適時二塁打。「インサイドアウトで逆方向に打つことを意識して、冬の間、練習してきました」という言葉通りの打撃で得点をもたらした。8回相手に満塁弾を許し、4点を追う展開となったが、直後の攻撃で7安打5得点と再び試合をひっくり返した。

3季通じて道大会(地区予選除く)の1試合チーム最多安打記録だった22本を更新する23安打を放った。横山蔵人監督(62)は「明るく元気に、最後まであきらめない。チームとして成長したなと思う。自分が見てきた中でナンバーワンの打線ですね」と目を細めた。

春夏通じて甲子園出場はないが、09年春に全道制覇している。14年ぶりに白星を挙げ、次戦は4強をかけて函館大有斗と白樺学園の勝者とぶつかる。横谷は「チャンスがあれば自分らしいプレーをみせていけたら」と意気込んだ。【山崎純一】