元日本ハム投手、芝草宇宙監督(53)率いる帝京長岡(新潟1位)は、星稜(石川1位)に1-2で惜敗し、決勝進出を逃した。敗れはしたものの公式戦2度目の先発、小林真大投手(2年)が6回を5安打2失点と好投。初優勝を狙う夏の新潟大会(7月6日開幕)に向けて大きな収穫になった。

小林は表情を変えずに投げ込んだ。「直球は2、3割だった」と投じた78球の大半が変化球。「自信がある」というチェンジアップを低めに決め、スライダーで詰まらせた。2失点は不運だった。4回の失点は2死から風の影響で打球が戻され、中越え二塁打となったのがきっかけ。5回の左前適時打もポテンヒットだった。実質的には打ち取った内容に芝草監督は「完璧と言っていい。夏に向けて大きな戦力」と手放しでほめた。

先発は前日に告げられたが「やってやろうと思った。緊張はしなかった」。公式戦初登板初先発だった春季県大会準決勝の中越戦(9-0、8回コールド)を1人で投げ抜き、自信を持った。「うちは守備がいい。星稜にも打たせて取る自分の投球ができた」。北信越の舞台でチームは小林の台頭という大きな収穫を手にした。【斎藤慎一郎】