第105回全国高校野球福岡大会が開幕した。17年以来7度目の夏甲子園出場を目指す県内屈指の公立進学校、東筑が12-0の5回コールドで大和青藍を下し、快勝発進した。

4番・森木悠登(ゆうと)内野手(3年)の大会1号となる高校通算20本目の本塁打など9安打と猛打さく裂。初回から連続6得点で、早々に勝負を決めた。

レッドソックス吉田正尚に憧れる森木が、大会1号アーチで勝利をもたらした。

1回2死二塁で内角直球を強振だ。「芯に当たったので、越えたかなと思った」という手応え十分の高校通算20号の右越え2点本塁打となった。青野浩彦監督(63)が「2アウトから点が取れるかどうかは大きな違い。2点は入り余裕があった。スーッと緊張感が抜けた」とたたえる値千金弾で打線に引火した。

予兆はあった。6月の練習試合では、今春九州大会準優勝の大分舞鶴のプロ注目で190センチ右腕、野上龍哉投手(3年)から高校通算19号を放ち、自信をつけた。冬場に主に背中や背筋を鍛えた筋トレ効果だった。

17年夏の甲子園球場で、開幕試合に登場した東筑をアルプススタンドで応援。父親がOBの東筑でプレーすることを夢見た。

今回ノーシードで挑む夏は「ノーシードなので、どこが相手でもチャレンジャー精神でやって行きたい」。6年ぶりの古豪復活へのキーマンになる。【菊川光一】