明石(兵庫)が宝塚西を相手に10安打7得点を重ね、8回コールド勝ちで3回戦に駒を進めた。

エースの箱崎悠朔(はこざき・ゆうさく)投手(3年)は感慨深げに先発マウンドに立った。「ここに立つと緊張するな」。昨夏もベンチ入りする予定だったが、直前の6月にくも膜下出血を発症した。当時は退院後も運動禁止でかなわなかったマウンドで、8回4安打無四球の完封勝利。シード校の宝塚西を10安打7得点で下し、2年連続の3回戦進出に笑みがはじけた。

昨夏は背番号18でメンバー入り予定だったが、発症後は1週間にわたって検査入院。退院後も1カ月の運動禁止を余儀なくされ、スタンドから試合を見守った。それから1年間で急成長を遂げた右腕に、高石耕平監督(42)は感無量の表情。「よく辛抱して抑えた。6月中盤までは四球を出しても力いっぱい投げていたが、今は力感なく放れるようになった」と納得顔だ。松原史弥コーチ(28)も「よう練習頑張ってる。人一倍多く走るし、気持ちも成長している」と信頼する。

この日は両親も観客席から勇姿を見守った。野球部一の小食だという右腕は前日、母雅美さん(45)手作りのギョーザで力を蓄えた。「みんなの応援を武器に頑張っている」と母。息子は「初戦は緊張して力が入った。でも後ろでみんなが守ってくれていた。後ろに任せようと思った」と仲間との絆を強調する。モチベーションは球場で声援を送る友人たち。「模試終わりにわざわざ来てくれて、頑張っているところを見てくれてうれしい」と心の支えだ。

野球歴は中学から、投手歴は高校からと日は浅い。「入部したときから先輩によくしてもらって成長できた。身近に教えてくれた先輩を尊敬しています」と感謝の気持ちを忘れない。笑顔がトレードマークの右腕は「一番人に見られる場所で暗い顔をしたら、いい試合にはならない。どの場面でも笑顔で」とリーダーシップも抜群だ。「頑張ったら夏もいいところいけるんじゃないかな、と」。今年創立100周年を迎える古豪の中心に、笑顔のエースがいる。【中島麗】

◆箱崎悠朔(はこざき・ゆうさく)2005年(平17)11月8日生まれ、兵庫県明石市出身。小学校時代は野球経験なし。大久保北中の軟式野球部で右翼手として野球を始めた。高校1年で投手に転向。2年夏は背番号18をもらったが、病気療養のため出場なし。2年秋は背番号9で外野手としてベンチ入り。3年春に背番号1。50メートル6秒9。176センチ、70キロ。右投げ右打ち。

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