日米通算4367安打のイチロー氏(50=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が16、17日の両日、沖縄・宮古島の宮古高校で硬式野球部員に指導を行った。

同氏の野球部訪問は20年の智弁和歌山から始まり、通算8校目。今年は11月の旭川東(北海道)に続いて2校目。

イチロー氏は自分の過去もさらけ出した。選手に声を出すことの大事さを何度も説いたが、「僕は高校生の時に声を出さなかった」と打ち明けた。

「チーム内で一番声を出さなかった人です。黙々とプレーをしたタイプ。その考え方は今は変わっている。当時の僕に今の僕が会ったら怒ります。当時の僕は仲良しのチームじゃなかったから。甲子園よりもプロに目的をもってやっていたから、ダメな高校生だったんだよ。ドラフト指名された選手は胴上げすると思うけど、僕の場合、他の高校生はそういう気持ちを抱かなかったと思う。(声に関する)その質問には弱い」

さらには、きれいごとだけではなく、現役高校生に現実の厳しさも示した。

「正しい形でやらないと身にならないからね。『努力は報われる、練習はうそをつかない』とか言うけど、実際は報われないから。努力したら報われると思っている人は、見返りを求めている。見返りを求める姿勢が駄目。練習しないとうまくならないのは確定してるけど、練習したからうまくなるわけではない。自分は普通にやっているけど、人から見ると頑張っているな、という状態まで上がってきてほしい。頑張っている感触から抜け出さないと、越えられない」

WBCで06年、09年の世界一を経験。今年、侍ジャパンは3度目の世界一に輝いた。「世界一を達成した後に大切なこと」という質問も飛んだ。

「僕はシーズン(チーム)では世界一になれなかった。日本代表ではなったけどね。大事なことは、終わった時点で終わってるんだよね。残酷だけど。引きずっていたら次に進めない。全部、過去になっているからね。ずっと持っている人は次にいけない。終わって、そこで死ねればいいけど、そこには元気な人がいるからね」