山梨学院は、急造二遊間で2回戦を突破した。

0-0の2回1死一塁。走者が盗塁を試み、遊撃を守る平野天斗内野手(2年)が、走者をタッチした際に左手人さし指の爪が剥がれて出血した。平野はベンチに下がり、二塁手の万場翔太内野手(2年)が遊撃へ。背番号14の岩城敦仁内野手(2年)が二塁についた。

先制打は、正遊撃手離脱のピンチで出場が巡ってきた岩城から生まれた。2回2死一、二塁から中前適時打。勢いに乗り、続く3回には一挙3得点で序盤に畳みかけた。無失策の堅守で反撃の隙を与えなかった。

実はこの二遊間。公式戦では初コンビだったが、大会前最後の練習試合で“予行演習”済みだった。その試合で平野が軽傷を負って途中交代し、2人で二遊間を組んでいた。吉田洸二監督(54)は「大きかったと思います」と、振り返った。好守で存在感を示した岩城は「結構ドキドキしました」と、堂々と守り抜き試合後は笑顔を見せた。

テーピングをしてベンチに戻った平野の次戦出場について、吉田監督は「ドクターの判断に委ねるしかないですね」との見通しを話した。指揮官は「センバツに出られるようなチームではなかったので」と謙遜するが、着実に8強進出。連覇へ、1歩ずつ近づいている。【佐瀬百合子】

◆センバツ8連勝 山梨学院が優勝した昨年からセンバツで8連勝。春の8連勝は昨年の大阪桐蔭(不戦勝1を含む)以来。歴代では(1)PL学園14(2)第一神港商、大阪桐蔭=各10(4)日大三、智弁和歌山、済美=各9に次ぎ7位タイ。

◆2校で10勝 山梨学院・吉田洸二監督が山梨学院で甲子園通算10勝目。清峰(長崎)で13勝しており、2校で2桁勝利の監督は竹田利秋監督(東北18勝、仙台育英12勝)、上甲正典監督(宇和島東10勝、済美15勝)、阪口慶三監督(東邦25勝、大垣日大15勝)に次ぎ4人目。

◆前年王者の8強 史上4校目の大会連覇を狙う山梨学院が8強。前年優勝校の8強は23チーム目。過去22チームの準々決勝成績は18勝4敗。

◆無失策試合 創志学園-山梨学院戦で記録。今大会3度目。

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