雨天のため1試合のみが行われ、春の県王者の大分が延長11回タイブレークの末、北陵(佐賀)に2-1でサヨナラ勝ちした。他の3試合は中止順延。日程は2日連続で延び、25日休養日を挟み、26日準決勝、27日決勝に変更された。22日は午前9時から継続試合の大牟田(福岡)-神村学園(鹿児島)、明豊(大分)-エナジック(沖縄)、春日(福岡)-佐賀北の3試合が行われる予定。

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大分が雨の中、延長11回の激闘を制した。1-1の2死一、三塁だった。新チームから4番の川谷諒暉外野手(3年)が高め変化球をとらえ右越えのサヨナラ打。一塁を回って、ジャンプでガッツポーズが飛び出す値千金の一打に「越えてくれて良かった。ホッとした」と声を弾ませた。

大分大会の決勝で死球を受けた左腕は、まだ腫れが残る。だが、11回146球を投げた2年生左腕、木村拓孝投手の粘投に触発され「チームもきつかったし、木村のために打ちたかった」と執念で勝負を決めた。

一方で、大分大会からエース襲名の木村は、120キロ台後半の直球と決め球のチェンジアップや、フォーク、カットボール、カーブ、スライダーを駆使して初めて11回を投げ抜いた。大分決勝の初完投に続く快投で、勝利を呼び込んだ。岩崎久則監督(56)も「相手に的を絞らせなかった。球数が多くなったが、慎重に投げてくれた」とたたえる投げっぷりだった。

当初は20日午後5時半からの第4試合だったが、雨天順延で午前8時半からの第1試合に大きく変更となった。それでも集中を切らさず、大分王者の貫禄で競り勝った。【菊川光一】