勉強だけではないんです! 全国屈指の頭脳派集団が好発進を切った。高い東大進学実績を誇る筑波大駒場(西東京)が、都立田柄に5回コールドで勝利した。
初回から襲いかかった。相手の失策も絡んでわずか1本の単打で4点を奪取。2回は3者凡退だったが、3回には5点。4回には「東大文一志望で得意教科は国語(現代文)」という竹下陽楽内野手(3年)のランニング本塁打まで飛び出し11点。回を重ねるごとに得点を増やし、終わってみれば15安打で20得点。投げては「東大志望で好きな教科は世界史(特に現代史)」という主将の中根慎士郎投手(3年)が4回無失点と好投。ペンをバットに、参考書・教科書をグラブに持ちかえても、決して侮ることはできない戦いぶりだった。
1947(昭22)年に開校した中高一貫校。偏差値70超えの男子校の校風は「自由・闊達(かったつ)の校風のもと、挑戦し、想像し、貢献する生き方をめざす」と誉れ高く、卒業生には黒田東彦(第31代日銀総裁)、小池晃(参議院議員)、東浩紀(評論家・小説家)、井川意高(元大王製紙社長)、森林原人(セクシー男優)など限りない。
伸び伸びとした環境で自由を謳歌(おうか)できるからこそ数多くの異才を輩出してきたともいえるが、近年の学生はどこか現実志向。それもあってか、今大会の部員達の目標は「ベスト32」と堅実だ。昨夏の大会後に監督に就任した池田正嗣監督は「世代なのかなぁ。冷静に分析をして、自分の実力を見るのが得意なんですよ」と話し、「私の母校の慶応高校に練習試合をした際に、森林監督からも『ワクワクする目標を立てよう』と言ってもらったんですけど、部員達の目標は変わりませんでした」と苦笑い。進学校らしく緻密なデータを応用しながら、確率の高い選択で本塁を陥れる。それでも、ひたむきに白球を追いかける姿は今も昔も変わらない。
好発進にも浮かれないのは、まさに受験さながら。中根は「初戦しっかり大勝できたので確実な一歩が踏めた。厳しい戦いになることは予想されますが、攻守どちらもさらに引き締めます」と次戦を見据え、竹下も「中根を中心に練習してきたことを出して、目標を達成するだけです」と照準を合わせた。14日の3回戦(スリーボンドスタジアム八王子)。対戦相手の八王子北に勝てば目標はクリアだが、もっと大きな夢を見るのも悪くはない。そんな試合ができればと期待したくなる。【平山連】

