花巻東(岩手)女子野球部の沼田尚志監督(65)が、14年ぶりに甲子園で指揮を執る。花巻東は7月28日、東海大静岡翔洋との全国高校女子硬式野球選手権準決勝で8-0と快勝し、創部5年目で初の決勝(3日、甲子園)進出を決めた。86年から一関商工(現・一関学院)の硬式野球部監督に就任して以降、19年までの33年間で同校を春夏合わせて6度の甲子園出場に導いた名将に、甲子園、そして日本一へ挑む思いを聞いた。
また甲子園に立つ日が来るとは、夢にも思っていなかった。19年、33回目の夏を終え、監督を勇退。「60歳で監督を辞めたときには、甲子園に応援に行くことはあっても、自分自身で出るなんて」。ましてそれが、県内でしのぎを削ったライバル校・花巻東のユニホームを着てとなるとなおさらだ。「ライバル校のユニホームを着て甲子園に出るとも夢にも思っていなかった」と胸中を明かした。
想像だにしなかった14年ぶりの舞台は、女子野球部を率いて日本一のかかった試合となった。「どんなものなのか。未知の世界ですから。今までそういう景色をみたことがないので。自分自身も楽しみです。どういう風に甲子園に立っているのか…」。興奮が混じる声色で続ける。「ただ自分がおどおどしたら選手たちも感じるでしょうから。自信を持ってやるしかない」。就任当初はユニホームに違和感もあった。しかし「今じゃまったく違和感なく着させてもらっている」。花巻東と記された胸を張って試合に臨むつもりだ。
これまでの6度の甲子園は「選手に連れてきてもらったというのが大きい。選手が日本一になりたいと言ってくれる。それをなんとかかなえさせてあげたいという気持ちだけでやっている」と振り返る。それは今回も同様で、決勝進出を決めた選手たちには感謝を伝えた。「ここまで連れてきてもらって感謝しかないよ。ありがとうね」。ただ、掲げる目標は日本一。「甲子園行けたからそれで終わりじゃないからね。あなたたちが掲げた目標は日本一でしょ。あともう一つ頑張ろうね」と引き締めた。創部5年で2度の全国準優勝。甲子園へ連れてきてくれた花巻東ナインとともに、三度目の正直で日本一をつかみにいく。

