<高校野球宮城大会:古川工3-1東北>◇25日◇準決勝

 春の選抜大会に出場した東北が準決勝で古川工に1-3で敗れた。再び甲子園に戻ると誓った夢はかなわなかった。上村健人主将(18)は「夏も絶対に(甲子園に)行くと思ってここまでやってきた」と涙を拭った。

 甲子園のグラウンドから見た光景は、出場した選手全員が鮮明に覚えている。東北側のアルプススタンドだけでなく、球場全体から惜しみなく拍手と大声援が送られた。上村主将は「支えてくれた人たちにお礼に戻りたかった」。

 東日本大震災の被災地の代表として、選抜大会後も注目され続けた。選手たちは多くの重圧を背負いながら戦ってきた。五十嵐征彦監督(35)は「勝ち続けることだけが、恩返しと思ってやってきた。あの子たちに少しでも長く野球を続けさせてあげたかった」と目を潤ませた。