<高校野球静岡大会:伊豆総合8-7藤枝西>◇10日◇1回戦
コールド負け寸前の7回裏にドラマが起きた。伊豆総合が0-7の劣勢から一挙7点を奪い同点。延長10回にサヨナラで藤枝西を破った。
暑さも忘れるぐらい、無我夢中の一振りだった。延長10回裏、先頭の塩崎が三塁打で出塁すると、相手はこの日2度目の満塁策をとった。5回から足をつっていた山根は苦悶(くもん)の表情を浮かべながら打席に入り、直球だけを待った。カウント1ストライクからの2球目をフルスイング。ねらい球を右前にはじき返した。「ここで決めないと、体は限界でした。次の回はやりたくなかった」。苦しみ抜いたエースは最後に満面の笑みを浮かべた。
エースで4番で主将だ。この日は7点の大量リードを許し、7回を迎えた。1点も返せなければ、コールド負けとなり、仮に8回を迎えても降板の予定だった。しかし、チームは4長短打と4四球で7点を返し同点としてくれた。エースは「みんなに迷惑をかけたから最後まで投げたかった」と直訴し続投した。土屋美弘監督(54)は「気持ちの強さはチーム一。あそこで彼と心中するつもりになった」と振り返った。
8、9回は3者凡退で仕留めた。両足がつり、下半身をほとんど使わず、腕だけでの投球。それでも気持ちで乗り切り10奪三振、151球を投げ抜いた。試合後の校歌斉唱が終わると、一斉に駆け出すナインの横で立ちつくし、足を引きずりながらゆっくりと応援席に向かった。「最後はヘロヘロでした。今日は仲間が助けてくれたので、次は完封したい。ゆっくり休んで万全の状態で臨みます」。修善寺工と大仁が合併して2年目。たくましいリーダーの下、大逆転のできるチームになった。【神谷亮磨】


