センバツ甲子園(21日開幕)に21世紀枠で出場する女満別(北海道)に、同校甲子園協賛会が「北の星打線」と命名したことが9日、分かった。協賛会では出場決定後から全国に通じる打線名を検討していた。校歌の4番の歌詞にある「我等は若き北の星」から抜粋。甲子園でもキラキラ輝いてほしいという願いを込め、この名前を考案した。

 女満別は「ストライクをフルスイングする」がモットーだ。そんな好球必打の打線を野球部の活動を支援する甲子園協賛会が「北の星」と名付けた。同会事務局では女満別の野球をひと言で表す言葉がないかと「しじみ打線」や「流氷打線」など、いろいろな案を出し合った。シジミはかわいらしく、流氷は寒いなど打線に合わずに不採用となった。そんな中で校歌4番の歌詞にあった「北の星」に注目した。

 学校新聞「女高通信」の責任者を務める鈴木収監督(43)が、同通信のキャッチコピーに採用したのが「我等若き北の星」。「うちの生徒にぴったりの言葉で、気に入りました」と話していた。「北の星」はそのフレーズからさらに抜粋した。真冬の大空町は、オリオン座など満天の星に囲まれる。チーム練習が終わる午後7時すぎには輝きを増す。「オホーツクの澄んだ夜空に光る星は見る人を感動させます。野球部も甲子園で感動するような試合をやってほしい」と、同事務局では命名の理由を話した。

 打線の名称はマスコミがチームを象徴する言葉を当てはめることが多いが、女満別のように協賛会が独自に名前をつけるのは極めて珍しい。「本当はマスコミの皆さんにつけてほしかったのですが大会が迫っていましたので」と同事務局。今後、名前が定着するように協賛会ブログに入れたり、新聞やテレビでの使用を依頼していくという。秋の公式戦5試合のチーム打率は3割3分3厘。この冬はフルスイングの練習に取り組んだ。大砲はいないが、全員でつないでいけば、輝く白星が見えてくる。【中尾猛】