<高校野球岩手大会:盛岡工11-6一戸>◇18日◇3回戦◇岩手県営野球場

 盛岡工が一戸を下し、16強入りした。1点リードの7回表1死二、三塁のピンチで、1年生右腕尻石流星が公式戦初登板。その回を無失点で切り抜けると、続く8、9回は3者凡退。チームを救う完全救援でデビュー戦を飾った。

 盛岡工のルーキー尻石がチームを救った。7-6と1点リードの一戸1死二、三塁。1本打たれれば逆転される場面で公式戦初登板した。5月から練習試合で何度も抑えを経験し、気持ちの準備は出来ていたが、ここまでのピンチは想定外。「すっごい緊張した」というが、気持ちを静めて得意のストレートで押した。その回は2つの二ゴロで乗り切った。

 味方の追加点で落ち着いたこともあり8、9回は3者凡退に抑えた。初回に6点を先制したが、前の試合で6点差を逆転勝利し勢いに乗る一戸に、じわじわ追い詰められた。そんな嫌なムードを振り払う尻石の好救援。石井栄治監督(49)は「楽な場面でデビューさせたかったけど、落ち着いて投げてくれた」と期待通りの活躍をたたえた。

 部員数の多い盛岡工に入学したのは、レギュラー争いで自分を鍛えたかったから。春先の肘の故障を乗り越え、夏にようやく手にした背番号20。「気合で負けないピッチングをしていきたい」と、さらなる貢献を誓った。【高場泉穂】