<センバツ高校野球:長野日大7-8千葉経大付>◇1日◇準々決勝

 千葉経大付がヒヤヒヤの4強入りを決めた。3回までに7-0とリードした楽勝ペースから一転。長野日大に追い付かれ、延長11回2死一、二塁から久保田真一一塁手(3年)が右前サヨナラ打を放った。殊勲の男も「7点取って気の緩みがあった。ちゃんと勝ちたかった」と笑顔はなかった。

 先発の斎藤が、7回に崩れた。5長短打で打者10人、5点を失った。「投げ急いで、甘く入った」と反省。松本吉啓監督(49)は「判定だからどうこう言うつもりはないけど、決まったと思ったボールを、ことごとくボールと言われた。それなら甘いところに投げるしかなく、そのボールを打たれた」と話す。自慢の守備陣は7失策と崩れた。

 それでも勝ったことが何よりの収穫だ。斎藤は自身最多188球を投げ抜いた。「15回まで投げるつもりだった。途中で代わって悔いを残したくなかった」。9回以降立ち直り、サヨナラ劇を呼び込んだ。

 次戦は聖望学園・大塚との剛腕対決。「意識して力んで今日みたいになったらダメ。自分のピッチングに集中したい」と話す。父圭昭さん(43)の誕生日だった前夜は自ら電話をかけた。苦しんだが、白星が何よりの贈りものだった。【前田祐輔】