全国高校野球宮城県大会の組み合わせ抽選会が25日、仙台市内で行われた。初出場の2チームを含む史上最多の81校が参加。田尻高と田尻さくら高による「田尻・さくら」が、宮城県初の連合チームとして初出場する。伝統の校名「田尻」のために戦う2、3年生と、その意思を受け継ぐ「さくら」の1年生が1つになって、夏に挑む。

 背負うチーム名が在籍する学校名とは違っても、同じチームとして一心同体の2人は、堂々と抽選会に臨んだ。くじを引いた毛利海斗主将(3年)は「1人1人が悔いの残らない大会にしたい」とチーム全員の思いを代弁。初出場チームの代表として壇上に立ち、ライバルの前であいさつした菊地智輝外野手(1年)も「みんな気持ちが一緒で、チームが1つになっています」と胸を張った。

 学校の改編により、2年後に閉校となる田尻の2、3年生部員7人と、今年4月に誕生した田尻さくらの1年生5人による連合チーム。学校名は違うが、同じ校舎でともに学校行事に参加する。7日から4日間、同校で合宿を行い、寝食をともにし団結力は一層、深まった。田尻さくらの新入生には女子部員の高山千夏がおり、毛利主将も「負けていられないと、みんなの励みになっています」と好影響を話す。

 全員が田尻のユニホームに袖を通し、大会に臨む。2年後には、55年から半世紀以上続く田尻野球部の歴史に幕が閉じるため、浅野良範監督(35)も「田尻という名前があるうちに、いい成績を残したい」と意気込む。まずは過去最高成績となる84年の3回戦進出を目指し、一丸となって突き進む。【由本裕貴】