<高校野球東兵庫大会:報徳学園10-0甲南>◇29日◇1回戦

 第90回全国高校野球選手権大会(8月2日開幕、甲子園)の東兵庫大会で、ドラフト候補左腕の報徳学園・近田怜王(れお=3年)が復活の快投を見せた。今春の県大会で敗れた甲南との初戦で、4回2/3を投げて1被安打無失点。6者連続を含む9奪三振をマークし、10-0の5回コールド勝ちでリベンジを果たした。

 強くて明るいレオが、帰って来た。一つ三振を取るたびに左腕の振りは勢いを増し、表情に迫力が満ちた。今春の県大会では左手中指マメの影響もあって惜敗した甲南に雪辱し、5回コールドの主役になった。

 「一番の得意球の真っすぐで押す。そういう姿を見せたかった。そういうスタイルで行くことを、守ってくれているみんなにもわかってもらいたかった」。この日の最速144キロのストレートで押した投球内容を、そう説明。復活をかけた試合だった。

 昨秋の近畿大会は3番を背負い、一塁を守った。ボールを投げられなくなっていた。発端は、初戦で青森山田に敗れた同年夏の甲子園大会。熱中症が原因とみられる両足けいれんを起こし、7回途中で降板。直後に測った体温は41度もあった。「このまま投げたら取り返しのつかないことになる」と周囲が真っ青になったほどの重症で、指先の感覚がおかしくなった。一塁に回っても、下手からやっとの思いで送球していた。

 近畿大会初戦敗退でセンバツを逃したことも、つらかった。役に立てないなら野球もあきらめようか-。傷心のエースを、永田裕治監督(45)やチームメート、母玲子さん(54)ら家族が支えた。1月6日から投球練習を再開し、ゆっくり感覚を取り戻した。

 この日集まったスカウト陣は阪神黒田、オリックス小林両編成部長を含む7球団17人。「調子が戻ってきている。春とは力強さが違う」(小林編成部長)と復調を確認。強敵・神戸国際大付が待つ難ゾーンも、近田は「楽しんで1戦1戦投げたい」。心もたくましくなっていた。【堀まどか】