<高校野球佐賀大会:佐賀北4-3佐賀工>◇8日◇2回戦

 昨夏の甲子園を制した佐賀北が、延長11回サヨナラ勝ちで連覇へ発進した。

 先発9人中5人(いずれも3年)の甲子園経験者が目に見えない圧力をかける。延長11回1死三塁。昨夏の決勝で8回裏1死一塁から右前打を放ち、逆転Vを呼んだ5番新川(にいかわ)勝政が敬遠され、次打者も四球で満塁。「甲子園経験者が並んでいるので、1人倒れても次々と警戒される」と百崎敏克監督(52)は言う。甲子園では2度、代打出場した7番前田直人の左犠飛で、ケリをつけた。先制、同点を含め全4得点に甲子園メンバーが絡み、同監督は「2点リードされても去年の経験で、バタバタしなかった。初戦敗退も覚悟していたから、ナイスゲーム」と評価した。

 昨秋は県大会3回戦で敗退。春の県大会決勝では鳥栖商に1-12と大敗した。苦しむナインを、同監督は「去年だって、予選はヨレヨレで、甲子園に行ってから1試合ずつ成長した」と励ました。厳しい練習の一方で、言葉巧みにモチベーションを高める百崎流も健在だ。江頭は「甲子園連覇に挑戦できるのは僕らだけ。プレッシャーでなく、チャンスを楽しむ」と話す。指揮官が「実力も、私の自信も昨年の方が上」と話すチームが、連覇へ第1歩を踏み出した。【佐藤千晶】