<高校野球広島大会:広島工16-0府中東>◇16日◇2回戦

 昭和60年代の“豪打県工”の再現だ!

 超高校級スラッガー沖野哲也(3年)擁する広島工は、府中東を16-0(7回コールド)で下す大勝を飾った。

 今大会最注目スラッガーの沖野が、広島市民球場でド派手な花火を打ち上げた。そのパワーは同校出身の偉大なOB「新井(阪神)の在学時より上」(広田利信監督=54)。前評判に違わぬ豪快3ランを含む5打数3安打4打点、文句なしの結果で実力を証明した。

 大会直前に本塁打量産態勢に入った沖野を中心に打線が爆発。初回2死三塁で4番尾田佳寬(3年)が府中東先発・中山雅之(3年)から左翼線を破る弾丸ライナーで先制。4回に3点、6回に2点を加えて迎えた7回だ。

 中越え打で出塁した上田永遠(3年)を、沖野が左中間フェンス直撃で返しコールド規定の7点目。この適時二塁打が“豪打県工”ののろしとなった。一巡して再び沖野。2番手・山岡勇太(2年)の投じた内角高めのスライダーを振り抜くと、打球は左翼席中段に一直線。打った瞬間にサク越え確定の豪快3ランもあり、この回一挙10得点で勝負を決めた。

 ド派手な通算46本目を「気持ちよかった」と沖野。“新井越え”報道にも「注目されるのはうれしい」という。終わってみれば16-0の7回コールド。超高校級スラッガーとともに“豪打県工”が前進する。【佐藤貴洋】