阪神が来季慰留に努めていた呉昇桓投手(33)との交渉を終了したことを11日、正式発表した。

 兵庫・西宮市内の球団事務所で四藤慶一郎球団社長(55)が「昨日、韓国メディアの方から略式起訴の可能性があると報道がありまして、正式な判断はまだ出ていませんが、これを受けまして、我々も来季の準備を進めています。時間的なものもあります。法律違反したというところを重く受け止めています」と説明。この日の朝、呉昇桓の代理人と協議して、交渉の打ち切りを確認した。呉昇桓は不法賭博疑惑で9日に韓国・ソウル中央地検に出頭し、容疑の一部を認めていた。2年連続セーブ王の呉昇桓と早い段階から残留交渉を行ってきたが、処罰されるか不透明な状況で、来季の戦力編成を急ぐ阪神は苦渋の決断になった。

 この日、韓国大手紙の中央日報は呉昇桓が巨額の金を借りていたとされる暴力団との接触を検察が否定したと報じた。さらに検察が呉昇桓の選手生命に考慮して、在宅起訴でなく、略式起訴や起訴猶予にする可能性も出てきたとみられ、早期決着する可能性も出てきたが、阪神は代役の外国人投手獲得に向かう。四藤社長は「やってくれた2年間、彼の功績を我々は忘れることはない。感謝の気持ちがあります」と続けた。

 呉昇桓は阪神を去り、米大リーグに挑戦する方向になりそうだ。