156キロ右腕に雷が落ちた。今秋ドラフトの超目玉、創価大・田中正義投手(3年=創価)が20日、桜美林大とのオープン戦に先発した。2回先頭に直球を狙い打ちされて右中間へ今季初被弾、4回も長打やけん制悪送球などで1失点。ベンチに下がると、思わず天を仰いだ。岸雅司監督(60)が声を荒らげた。「もうキャプテンやめろ!」。

 結果だけ見れば前週の白鴎大戦と同じ5回4安打2失点。右肩疲労による投げ込み不足もあり、多少の調整遅れはしようがない。だが不安や焦りを態度に出してしまった。「すごくレベルの低い話になるけど、投げたいところに投げられるようにならないと次に進めない。今は打たれ慣れてる感じがする」と反省した。

 それでも最速は151キロを記録し、5三振を奪った。視察したアストロズ大慈弥環太平洋担当部長は「これから上がってくる。順調」と期待した。田中が先取点を献上することはめったにない。打線は逆転勝ちしてくれた。「次はチームの士気が高まる投球をしたい」。東京新大学リーグ開幕前まであと2週間。かつてOBヤクルト小川がそうであったように、常に毅然(きぜん)とした強さを持つ真のエースへ、心の強さも鍛えていく。【鎌田良美】