通算402セーブを誇る中日岩瀬仁紀投手(41)に復活の道筋が見えた。オープン戦初登板の舞台は、1-1の9回。1年7カ月ぶりのナゴヤドームで大歓声を浴び、打者3人、無失点で片付けた。開幕は間に合わないが、ブルペンの強力な1枚になる左腕が大きなステップを踏んだ。

 「納得とまではいかないけど、まあまあよかった。少しずつ良くなってきているので、何とかもう1つ(段階を)上げたい。前よりも制球が乱れることもなかったが1軍の9回という部分ではまだあり得ない」

 左打ちの好打者角中を内角シュートで詰まらせて遊ゴロ。井上には厳しいコースを突きながら四球を出したが、三木をスライダーで一ゴロ併殺にしとめた。最速は132キロ。「最低でも130キロ台後半に上げないと」という状態ながら、コーナーに投げ分けてきっちり無失点でしのぐ投球術は生きていた。

 左肘痛で昨年は実戦登板なし。2月11日の紅白戦に投げるなど順調にキャンプを過ごしたが、2月下旬にインフルエンザに感染。その調整遅れを取り戻し、13日の教育リーグ登板を経て1軍戦にたどり着いた。「今日投げて、やっぱりこのナゴヤドームで投げたいなと、あらためて思いました」。ファンやチームの思いもまた一緒だ。【柏原誠】