今秋ドラフトの目玉で最速156キロ右腕の創価大・田中正義投手(4年=創価)が、右肩関節の炎症で今春のリーグ戦登板が絶望的となった。先発した23日の共栄大戦は2回で緊急降板。この日の東京国際大戦はソフトバンク、日本ハム、西武に加えてメジャーのスカウトも視察に訪れたが、登板しなかった。試合後、岸雅司監督(60)が「右肩の関節が緩んでいて、軽い炎症もあった。自分の中では(今春は)投げさせるつもりはない」と明かした。大黒柱の離脱でチームは3連敗。優勝が遠のいた。

 田中の右肩は完治していなかった。2月上旬に違和感を訴えて調整が遅れ、3月の侍ジャパン招集が見送られた。23日の試合後は「右手中指の爪が割れた。肩は問題ないと思う」と話したが25日に検査を受け、この日までノースロー調整。「爪も割れたし、肩の違和感が強くなった。MRIの写真を見ても損傷はなかった」と説明した。

 高校時代や大学入学後も右肩痛に悩まされた。今回の症状と比較して「痛みは強くないし、違和感の種類が違う。大げさには考えていない」と軽症を強調。それでも、岸監督は「時間をかけた方がいい。秋にリベンジしよう、と伝えた」。回復次第では7月の日米大学野球選手権(新潟など)の代表入りにも影響するが、将来を考えて復帰には慎重な姿勢を示した。

 今後は関節の緩みをなくすため、投げ込み不足で落ちた右肩の筋力を鍛えていく。田中は「自分のことだけ考えれば、体の状態を知れて不安が取れた」と前を向いた。【鹿野雄太】