北東北大学野球のノースアジア大(秋田)のコーチに、元西武の金森栄治氏(60)が就任していたことが17日、分かった。14年4月から3月末まで監督を務めていた石川・金沢学院東高(現金沢学院)を任期満了で退任。4月から同大に招聘(しょうへい)され、既に学生への指導を行っている。

 石川・金沢市出身の金森氏はPL学園高、早大、プリンスホテルを経て、81年に西武へドラフト2位で入団。左打ちの外野手として3度の日本一を経験し、88年途中にトレードで阪神へ移籍。93年からプレーしたヤクルトでは代打の切り札として鳴らした。

 96年に引退後は名打撃コーチとして、強打者を育成してきた。01年から2年間在籍した古巣西武で打撃開眼させた和田一浩は、通算2050本まで安打を積み重ねた。10年にはロッテの1軍打撃兼野手チーフコーチに就任し、チームの日本一に貢献。当時の愛弟子だった角中勝也は、のちに首位打者を2度獲得するまで成長した。

 プロ5球団でコーチを、BCリーグ石川では監督を歴任した後は一転して、高校野球界に身を転じた。14年3月に、日本学生野球協会から学生野球資格の回復を認定され、同年4月から地元・金沢学院東高の野球部監督に就任した。3年間の任期での最高成績は15年夏の準々決勝進出だった。

 22日から開幕する北東北大学野球リーグは目下、富士大(岩手)が6連覇している。昨秋は5勝5敗の3位。07年の改称前の秋田経法大時代に11度(旧リーグ含む)の優勝経験はあるが、直近の優勝は92年春。金森コーチの指導で打撃を底上げし、25年ぶりの優勝を狙う。