そのうえで、打線の大幅改造を決断した。坂本勇を今季初の1番で起用。前夜に楽天則本から2ランを放った村田を4番に据え、マギーとクルーズでクリーンアップを形成。試合前までリーグワーストのチーム打率2割3分7厘だった貧打解消へ、なりふり構わず勝機を探った。0-1の7回無死一塁で村田が2戦連発の3号逆転2ランを打てば、坂本勇も2点適時打で続いた。

 それでも逃げ切れなかった。8回2死一塁で、指揮官は「現時点で最後を託す投手は彼しかいない」と代役守護神のマシソンをマウンドに送った。今季5度目のイニングまたぎとなった9回2死からソロ本塁打を含む4連打で追いつかれた。懸命に策を講じたものの、あと1歩で勝利を逃した。「必死に何とか流れを変えようと、みんな必死にやってくれている。毎日、常に今日は何とかして勝とうという気持ちは変わらない」。トンネルの出口を信じ、もがきながら必死に戦うしかない。【浜本卓也】

 ▼巨人が5月25日阪神戦から8連敗。巨人の8連敗以上は、6月に8連敗と10連敗、7月に9連敗を喫した06年以来、11年ぶり9度目。巨人で8連敗以上を記録した監督は原監督4度、長嶋監督3度、中島監督に次いで4人目になる。長嶋監督時代の94年に8連敗で優勝した巨人だが、この時は8連敗の9月3日時点でまだ2位に3ゲーム差の首位。8連敗時に首位でないケースは優勝を逃している。