守りが乱れた阪神の「日本生命セ・パ交流戦」勝率1位が消滅した。同点で迎えた8回、マルコス・マテオ投手(33)が与えた先頭打者の四球から試合は暗転。1死二塁から左翼後方に上がった飛球を福留孝介外野手(40)が捕り切れず、三塁打にして勝ち越された。さらに2死一、三塁から原口文仁捕手(25)が一塁へのゴロを失策。リードを2点に広げられ、楽天ペゲーロの満塁弾まで浴びてこの回6点を失った。首位広島は勝ったため、再び3ゲーム差に離された。

 パ・リーグの強敵と互角に渡り合ってきた金本阪神に、思わぬ落とし穴が待っていた。同点で迎えた8回だ。中継ぎのマテオが先頭打者ウィーラーに四球を与えた。次打者への2球目には盗塁を許してしまう。梅野は「頭にあったが、力みすぎて球(二塁送球)が浮いた」と反省した。バッテリーでピンチを招くと、守備にほころびが生じた。

 1死後、楽天島内の左翼飛球に対し、福留のスタートが遅れてしまう。打球は強い浜風に乗って、フェンス手前で落下。左翼に移って、甲子園では5戦目の福留は捕球できなかった。この三塁打で勝ち越され、さらにミスは連鎖した。

 2死一、三塁で一塁を守る原口がゴロをはじき、タイムリーエラーに。「体で止められなかったので…。バッテリーにもチームにも申し訳ない」と頭を下げた。福留は試合後、険しい表情のまま、無言でクラブハウスに戻った。最悪の流れの中、代わった松田が四球の後にペゲーロに満塁弾を浴びる。まさかの6失点に甲子園は静まりかえった。

 シーズン序盤に比べると、守備は安定してきたが、まだチーム45失策はリーグワーストの数字だ。この日は梅野のバント失敗や走塁の甘さも目立った。

 金本監督は「まあ、しようがない。点が取れなかったら…。梅野はいつもバシッと決めてくれている。そりゃ、決めてほしいけど…」とグッと言葉をのみ込んだ。パ首位の楽天に、スキを見せれば、やられる。リーグ戦再開後に、広島との直接対決がある。これを教訓に、気を引き締める必要がある。

 この1敗で交流戦1位の可能性は消滅した。広島とは3ゲーム差に再び離された。現時点で交流戦は10勝7敗。きょう18日の最終戦に向け、指揮官は言った。「勝って締めくくりたい」。ソフトバンクをのぞく5球団に勝ち越しとなるか。鬼門と言われたパとの戦いで、有終の美を飾りたい。【田口真一郎】

 ▼阪神が交流戦1位を逃した。阪神は今日18日楽天戦に勝っても、最終成績は11勝7敗で勝率6割1分1厘。現在1位の広島がソフトバンク戦に敗れても、12勝6敗で勝率6割6分7厘となり、阪神を上回る。