虎に主役の座は渡さない。中日鈴木が、今日27日の阪神戦(浜松)に先発。この日は地元での初先発に備え、浜松球場で練習に参加し、ブルペン投球で調整した。「1年目も(中継ぎで)投げましたけど、そのときとは違う姿を見せたい」と気合。成長した姿を見せる。

 年に1度の浜松での主催試合。森監督は「ここだけだから。浜松だから投げさせるんだ」と里帰り登板を後押しした。浜松はNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公ゆかりの地。偶然の巡り合わせだが、放送真っ最中に21年ぶりの阪神戦。ドラマの主役は虎かもしれないが、この地に慣れ親しむのは若き右腕。鈴木は「若手に勢いがある。福留さんや糸井さんと力のある打者もいて、気が抜けない。1球1球、1人1人に集中して、気がつけば5回が終わっていたという投球がしたい」と主導権を握るつもりだ。

 練習後、友利投手コーチからは「結果出せ!」とハッパをかけられた。森監督には「いい鈴木君と知らない鈴木君がいる」と評され、ときに四球を連発するなど好不調の波が大きいのが課題。鈴木は「今は自分のこと、置かれた立場を考えて結果を残してアピールしたい」。故郷の空気を力に、好調モードの「いい鈴木君」で生き残りに懸ける。【宮崎えり子】