西武が6月28日に急逝した森慎二投手コーチに、弔いの白星を届けた。同コーチがチームを離れた6月25日から5連敗と苦しんできたが、投手陣が粘りの投球でつなぎ、打線も6月8日巨人戦以来の2ケタ得点と爆発。この日、都内で通夜が営まれた同コーチに、投打がかみ合っての6戦ぶりの勝利をささげた。

 辻監督の目は潤んでいた。森コーチが急逝してから初めてつかんだ白星。「やっと勝ったね。我々は明日、葬儀に出るけど、今日の(ウイニング)ボールを持っていけるのは本当によかった。1つ勝てば選手の気持ちも変わってくる」と安堵(あんど)の表情をみせた。

 投手陣が必死につなぎ、援護を呼び込んだ。先発岡本は初回に先制2ランを浴びながらも立て直した。「どんどん勝負していこうという気持ちを忘れず投げました」。真っ向勝負を挑み続け、6回途中を3失点。森コーチから生前、くぎを刺されたのは「1軍のマウンドに慣れず、常に緊張感を持て。決して逃げるな」。6月7日に昇格し、おごることなく、その言葉を胸に刻み、無傷の3連勝を決めた。